私たちの生活にすっかり溶け込んでいるユニクロ。
お店に行ったり、オンラインストアをチェックしたり、アプリを開いたり…。
様々な形でユニクロと接する機会がありますが、実はその裏側で、とても計算された「ある戦略」が動いているのをご存知でしょうか?
それが、ユニクロのメールマガジン(メルマガ)戦略です。
「メルマガなんて、ただのセールの告知でしょ?」と思われた方もいるかもしれません。
しかしユニクロのメルマガは単なる情報配信ツールではなく、ユーザー一人ひとりの心を掴み、お店やオンラインストアへの誘導、さらにはファンを増やすための、緻密に練られたデジタル戦略の一部なのです。
そこで今回は、ユニクロのメルマガがどんな仕組みになっていて、なぜこんなにも効果的なのか、その秘密を徹底的に解説します!
他社の事例と比較しながら、あなたのビジネスでも活かせるヒントを探っていきましょう!
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ユニクロのメルマガの全体像
ユニクロのメルマガを語る上で最も重要なのは、「デジタルエコシステム」という考え方です。
デジタルエコシステムとは、インターネットやコンピュータ技術を基盤として、様々な企業、個人、サービスが相互に連携し、価値を共創する仕組みのことです。
自然界の生態系のように、参加者それぞれが影響を与え合い、依存し合いながら、全体として成長していくのが特徴です。
ユニクロのメルマガは、公式アプリ、オンラインストアの会員システム、そして実店舗が連携した、大きな仕組みの中で動いています。(※詳しくは後の章で解説いたします!)
ユニクロのメルマガの目的
ユニクロのメルマガの目的は、主に3つです。それぞれ見ていきましょう!
①ユーザーともっと仲良くなる(エンゲージメント深化)
一方的な情報提供ではなく、ユーザーにとって役立つ、嬉しい情報を提供することで、ブランドへの親しみや信頼を高めます。
②お店やオンラインストアで「買いたい!」を刺激する(売上促進)
お得な情報や魅力的な商品をタイムリーに届けて、購買につなげます。
③ユーザーのことをもっと知る(顧客データ収集・活用)
メルマガの反応などを通じてユーザーの興味関心を理解し、今後のサービス改善や商品開発に役立てます。
ユニクロのメルマガの特徴
ユニクロのメルマガの大きな特徴は、これらの目的のために以下のような仕掛けが組み込まれている点です。
①ユーザーに合わせた情報(パーソナライゼーション)
全員同じ内容ではなく、ユーザーの興味や購入履歴に合わせて、おすすめの商品や情報が届きます。
②アプリや会員IDとの連携
メルマガからスムーズにアプリやオンラインストアに誘導され、会員特典なども受けられるようになっています。
③「お得」や「便利」な情報が中心
セール情報、期間限定価格、新商品、着こなしアイデアなど、ユーザーが「見てよかった!」と思える価値提供を重視しています。
④次に取るべき行動が明確(CTA)
「オンラインストアで購入」「アプリをチェック」など、ユーザーが迷わず目的の情報にたどり着ける工夫がされています。
以下のスクショをご覧ください。ユニクロから、毎日メルマガが配信されていることがわかります。
これだけ頻繁に送っても「多すぎる」と感じさせないのは、後述するパーソナライゼーションが鍵となっています。
ユニクロのメルマガ戦略の秘密
では、なぜユニクロのメルマガは多くのユーザーに受け入れられ、効果を発揮しているのでしょうか?その戦略を深掘りしてみましょう。
『パーソナライゼーション』の魔法
ユニクロのメルマガがすごいのは、単に「セール情報です!」と送るだけでなく、「あなたにおすすめの商品はこちら!」と、まるで個人的な店員さんのように語りかけてくる点です。
これを実現しているのが「パーソナライゼーション」と呼ばれる技術です。
ユニクロは、ユーザーがオンラインストアでどんな商品を見たか、過去に何を買ったか、アプリをどう使っているか、さらには会員登録時の年齢や性別といった情報まで、様々なデータを活用しています。
これらのデータをもとに、ユーザー一人ひとりの興味や好みに合わせて、メルマガの内容を出し分けていると考えられます。
これにより、受け取ったユーザーは「自分の欲しいもの、知りたい情報だ!」と感じやすくなり、メルマガを開封したり、記載されたリンクをクリックしたりする行動につながりやすくなります。
メルマガとアプリ・会員連携が作る『最強エコシステム』
前述の通り、ユニクロのメルマガは、単体で完結しているのではなく、公式アプリやオンラインストアの会員システムと強く連携しています。
メルマガでお得な情報や気になる商品を見つけたユーザーは、そのままスムーズにオンラインストアやアプリへと誘導されます。
そして、オンラインストアの会員になることで、メルマガだけでは得られない特別なクーポン(新規登録クーポンや誕生日クーポンなど)をもらうことができます。
逆に、アプリやオンラインストアで得られたユーザーの行動データ(どんな商品を見ているか、お気に入りに登録しているかなど)は、メルマガのパーソナライゼーションに活用されます。
このように、メルマガ、アプリ、オンラインストア、会員システムが互いに連携し、データをやり取りすることで、ユーザーにとってより便利で、よりお得な体験を提供できるようになっています。
メルマガは、この巨大な「エコシステム」をユーザーに意識させつつ、回遊を促す重要な「入口」や「案内役」の役割を果たしているのです。
見やすい、分かりやすい!『コンテンツとデザイン』の工夫
ユニクロのメルマガは、文字ばかりのメールではなく、たくさんの商品写真を使った、まるでオンラインストアを見ているかのようなデザインが特徴です。
①豊富なビジュアル
商品の特徴がよく分かる写真や、着こなしの参考になるスタイリング写真が効果的に配置されています。
②シンプルで見やすいレイアウト
ユニクロらしい清潔感のあるシンプルなデザインで、情報が整理されていて分かりやすいです。
③スマホでの見やすさ
多くの人がスマートフォンでメールを見る時代に合わせて、スマホに最適化されたデザイン(レスポンシブデザイン)になっています。
また、メルマガの件名にも工夫が見られます。
「期間限定価格」「〇〇(商品名)値下げ」「会員限定クーポン」など、お得な情報や具体的な商品名を盛り込むことで、受信箱の中でも目を引き、「開いてみよう!」と思わせるように設計されていると考えられます。
次に繋げるための『CTA(行動喚起)』戦略
メルマガを読んだユーザーに、次にどうして欲しいのかを明確に示すのが「CTA(コール・トゥ・アクション)」です。
ユニクロのメルマガには、このCTAが分かりやすく、複数設置されています。
「オンラインストアで買う」「この商品をもっと詳しく見る」といった商品ページへの直接リンクはもちろん、「ユニクロ公式アプリをダウンロード」「今日のデジタルチラシを見る」といった、他のチャネルへの誘導もしっかり盛り込まれています。
これらのCTAは、ボタン形式になっていたり、目立つテキストになっていたりと、ユーザーがクリックしやすいように工夫されています。
メルマガで興味を持ったユーザーが、スムーズに次の行動(購入、情報収集、アプリ利用など)に移れるよう、導線設計が徹底されているのです。
他社とどう違う?ユニクロメルマガの競争優位性
ユニクロのメルマガ戦略は、他社と比較するとどのような特徴があるのでしょうか?
競合他社と比較してみた!
アパレル業界の主要な競合を見てみましょう。
GUとの比較
ユニクロと同じファーストリテイリンググループですが、よりトレンドに敏感な若年層向け。
SNS(Instagram、 TikTok)やインフルエンサー活用に強く、メルマガはアプリやSNSを補完する位置づけと言えます。
しまむらとの比較
幅広い年齢層に支持される強固な店舗網が特徴。
OMO(オンラインとオフラインの融合)戦略が進んでおり、ECで購入した商品を店舗で受け取るユーザーが非常に多いです。
アプリが中心で、メルマガの重要度はユニクロほど高くない可能性があります。
ZARA / H&Mとの比較
グローバルなファストファッションブランドで、最新トレンドを素早く提供しています。
メルマガは新着コレクションやプロモーション情報が中心で、グローバルなデジタル戦略の一部として機能しています。H&Mは会員プログラムとの連携が強いです。
ユニクロのメルマガの強み
上記の競合と比較して、ユニクロのメルマガ戦略が際立っているのは以下の点です。
強み1:「LifeWear」という独自のコンセプト
トレンドを追いかけるだけでなく、日常的で機能的な「LifeWear」という明確な商品軸があるため、メルマガでも商品の機能性や着こなし方を深く伝えることができます。
強み2:データに基づいたパーソナライゼーションの深さ
アプリ、会員情報、購買履歴など、多様なチャネルから得られる豊富なデータを活用し、他社よりも精緻なパーソナライゼーションを実現していると考えられます。
強み3:オムニチャネル連携による利便性
メルマガがオンラインストアへの誘導だけでなく、アプリ利用促進、店舗受け取りサービスの案内など、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐ役割を担っている点は、顧客体験全体の向上につながっています。
つまり、ユニクロは単に「安い」「流行っている」で勝負するのではなく、データ活用による個別の「関連性」と、どこでも便利に買える「利便性」を追求しており、メルマガはこの戦略を支える重要なコミュニケーションチャネルとなっているのです。
ユニクロメルマガ戦略から学ぶ3つのヒント
ユニクロのメルマガ戦略は、私たちに多くの学びを与えてくれます。規模は違えど、どんなビジネスでも応用できるヒントが隠されています。
①データは宝!ちゃんと集めて活用しよう
ユニクロの成功は、顧客データを徹底的に収集し、それをパーソナライゼーションに活かしている点にあります。
あなたのビジネスでも、ユーザーの購買履歴、ウェブサイトの閲覧履歴、メールへの反応などを積極的に集めましょう。
そして、そのデータを分析して、ユーザー一人ひとりに合わせた情報提供を目指すことが重要です。
単なる一斉配信から、「あなたへのおすすめ」へと進化させましょう。
②他のチャネルと連携させよう!
ユニクロのメルマガが強いのは、アプリやオンラインストア、実店舗と連携しているからです。
あなたのビジネスでも、メルマガをウェブサイト、SNS、アプリなど、他のコミュニケーションチャネルと連携させることを意識しましょう。
メルマガで興味を持ったユーザーが、スムーズに他のチャネルに移動できる導線を設計したり、各チャネルで集めたデータをメルマガに活用したりすることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
③ユーザーに価値を提供しよう(お得情報や役立つ情報)
ユニクロのメルマガは、セールや新商品といった、ユーザーが「得する」「便利になる」と感じる情報が中心です。
あなたのメルマガでも、単に商品の告知をするだけでなく、クーポン、限定情報、使い方や選び方のヒント、ユーザーの声、お得なキャンペーンなど、ユーザーにとって「受け取るメリット」があるコンテンツを充実させましょう。
まとめ
ユニクロのメールマガジン戦略は、単なる販促ツールではなく、データ活用、チャネル連携、そしてユーザーへの価値提供を巧みに組み合わせた、現代のデジタルマーケティングの成功事例と言えます。
この戦略から学べるのは、メルマガを独立したツールとして見るのではなく、顧客体験全体の中心に置き、他のデジタルチャネルや実店舗と連携させながら、データに基づいたパーソナルなコミュニケーションを行うことの重要性です。
「LifeWear」という哲学を、デジタルという手法で体現し、ユーザーとの長期的な関係性を築いているユニクロ。
そのメルマガ戦略は、多くのビジネスにとって、売上アップや顧客満足度向上を目指す上で、大いに参考になるはずです。
ぜひ、この記事を参考に、あなたのビジネスのメルマガ戦略を見直してみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
川上あおい
3児の母。川上サトシを支えつつ学んだことを活かし始めたハリネズミ。24時間、車を運転したことがある。

この記事の監修
