ECサイトの運営で悩んでいませんか?
競合との差別化、顧客エンゲージメントの向上、売上アップ…。
これらの課題を解決するために、参考にしたいのがフェリシモのEC戦略です。
フェリシモは、独自のビジネスモデルや顧客の声を活かした商品開発、社会貢献活動など、様々な取り組みで成功を収めています。
この記事では、フェリシモのEC戦略について、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、自社のECサイト運営に役立ててください。
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フェリシモってどんな会社?

フェリシモは、1965年に創業した、カタログ通販を中心とした事業を展開する企業です。
「ファッション」「雑貨」「食品」など、幅広い商品を提供しており、多くのブランドを抱えています。
「しあわせ」を届ける会社

フェリシモという社名は、FELICITY(至福)とSSIMO(強調を表す接尾語)を合わせた造語です。
「最大級で最上級のしあわせ」という意味が込められています。
フェリシモは、「ともにしあわせになるしあわせ」をコアバリューに掲げ、事業性、独創性、社会性の融合を目指しています。
このコアバリューは、商品開発やマーケティング、顧客対応など、あらゆる活動の基盤となっています。
独自のビジネスモデル:毎月届くワクワク感!

フェリシモのビジネスモデルで特徴的なのは、「フェリシモコレクション」と呼ばれるオリジナル商品です。
これは、毎月1回、テーマに沿った商品が届く定期便のサービスです。
顧客は、毎月何が届くのかわからないワクワク感を楽しむことができます。
この定期便システムは、顧客との長期的な関係構築に役立ち、安定した収益を確保することができます。
また、顧客は、新しい商品との出会いや発見を通して、生活に豊かさや潤いを感じることができます。
社会貢献活動への取り組み
フェリシモは、ECサイトの運営だけでなく、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
社会貢献を「社会文化活動」と位置づけ、文化的な豊かさを追求しています。
地球環境や社会への貢献を意識した事業を展開することで、企業としての責任を果たすとともに、顧客との信頼関係を築いているのです。
ここで、その具体例をご紹介します!
子供服のリユース事業「ハッピーバトンプロジェクト」

フェリシモの「ハッピーバトンプロジェクト」は、不要になった衣類を回収し、再利用することで、環境保護と社会貢献を両立させる取り組みです。
ハッピーバトンプロジェクトの仕組み
1.回収袋の購入:フェリシモのウェブサイトから、衣類を入れる回収袋を購入します。 2.衣類の梱包:不要になった衣類を回収袋に詰めます。 3.集荷依頼:配送業者に集荷を依頼します。 4.再利用・リサイクル:回収された衣類は、海外で再販されたり、リサイクルされたりします。 |
ハッピーバトンプロジェクトの特徴
簡単:自宅にいながら、手軽に不要な衣類を処分できます。 環境保護:衣類を再利用することで、ゴミの削減に貢献できます。 社会貢献:回収袋の販売収益の一部は、発展途上国へのポリオワクチン寄付や、ひとり親家庭の支援に役立てられます。 幅広い品目を回収:衣類だけでなく、バッグや靴、アクセサリーなども回収しています。 |
ハッピーバトンプロジェクトは、クローゼットを整理しながら、環境保護と社会貢献にも貢献できる、持続可能な社会を目指す取り組みです。
環境に優しいファッションブランド「el:ment」

フェリシモは、「el:ment(エル:メント)」という、環境に配慮したファッションブランドを展開しています。
el:mentでは、オーガニックコットンやリサイクル素材など、環境に優しい素材を使用した商品を販売しています。
また、製造過程においても、水やエネルギーの使用量を削減するなど、環境負荷を低減するための工夫を凝らしています。
el:mentは、ファッションを通じて、環境問題に関心を持つ人を増やし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
独自の環境基準で開発した「500色の色えんぴつ」

フェリシモは、「500色の色えんぴつ」という、色鮮やかな色えんぴつを販売しています。
この色えんぴつは、商品と包装全体に独自の環境基準を設定し、環境への影響を最小限に抑える努力をしています。
例えば、木材は間伐材や植林木を使用し、塗料は人体に無害な水性塗料を採用しています。
また、パッケージには再生紙を使用するなど、環境に配慮した素材選びをしています。
フェリシモのEC戦略から学ぶ、成功の秘訣4つ

フェリシモは、独自のEC戦略によって、多くの顧客を獲得し、高い売上を誇っています。
ここでは、フェリシモのEC戦略から学べる成功の秘訣を4つ紹介します。
①顧客の声を活かした商品開発:顧客の声をカタチに! ②顧客を細分化!「クラスター&トライブ戦略」 ③ブランディング戦略:独自性の高いブランドを確立 ④サブスクリプション事業「EIZOKU」:企業を支援! |
①顧客の声を活かした商品開発:顧客の声をカタチに!
フェリシモは、顧客の声を積極的に商品開発に活かしています。
顧客の声を収集する手段としては、アンケート、インタビュー、SNSなど、様々な方法があります。
フェリシモは、これらの方法を駆使して、顧客のニーズやウォンツを把握し、商品開発に反映させています。
妄想もっと許可局
「こんな商品があったらいいな」と思ったことはありませんか?
フェリシモでは、そんな顧客の夢を叶える、ユニークな取り組みを行っています。
それが「妄想もっと許可局」です。
顧客の声を反映した商品開発を行うことで、より愛着の持てる商品を生み出しています。
仕組みはシンプルです。
1.フェリシモから商品化を検討するテーマが発表される。 例:「かっぱえびせん」をテーマにした雑貨や、「柴犬」をモチーフにしたクッションなど。 2.顧客がテーマに沿って、自由な発想で商品アイデアを投稿する。 3.顧客が、投稿されたアイデアの中から商品化してほしいものに投票する。 4.投票結果を参考に、最も人気が高かったアイデアが実際に商品化される。 |
これまでに、「かっぱえびせん」の形状を活かしたポーチやクッションなど、ユニークな商品が数多く生まれています。
柴犬のお尻をリアルに再現したクッションも、話題を呼びました。
妄想もっと許可局は、顧客の声を商品開発に反映することで、顧客満足度を高めるだけでなく、これまでになかった斬新な商品を生み出すことにも成功しています。
SNSでの成功事例「YOU+MORE!」
「YOU+MORE!」は、SNSでの情報発信を積極的に行っているブランドです。
ユニークな商品を開発し、SNSで話題性を意図的に作り出すことで、商品認知から購買までを促進しています。
上記で紹介した「妄想もっと許可局」で寄せられたアイディアの発信も行っており、「セクシー大根抱き枕」など、インパクトのある商品を開発し、話題を呼びました。
フォロワー10万人超えのXアカウントを運用するなど、SNSでの情報発信に力を入れています。
顧客の声を活かした商品開発は、顧客満足度向上に繋がり、ブランドロイヤリティを高める効果も期待できます。
②顧客を細分化!「クラスター&トライブ戦略」
フェリシモでは、「クラスター&トライブ戦略」と呼ばれる独自の戦略を採用しています。
これは、顧客を価値観やライフスタイルで分類し、それぞれのグループに最適な商品やサービスを提供することで、顧客とのエンゲージメントを高める戦略です。
500のクラスターを作成し、それぞれを10億円規模の売上に育てる計画です。
AIやRPA(人間がパソコンで行うような事務作業を、ソフトウェア型のロボットに代行させる技術)を活用し、顧客の行動データを分析することで、顧客一人ひとりに最適な商品提案を実現しています。
「フェリシモ部活」プロジェクト
この戦略の一環として立ち上げられたのが、「フェリシモ部活」プロジェクトです。
社員が共通の趣味や興味をもとに集まり、自由な発想で活動しています。
例えば、「猫部」は猫が好きな社員が集まり、猫グッズの販売や保護猫活動の支援などを行っています。
このように、特定のニッチ層に向けた商品提案を行うことで、深い顧客関係を構築しています。
③ブランディング戦略:独自性の高いブランドを確立
フェリシモは、「ともにしあわせになるしあわせ」を理念に、持続可能なビジネスモデルを追求しています。
フェリシモコレクション
フェリシモコレクションでは、「〇〇の会」という形で、様々なテーマの商品を定期便で販売しています。
例えば、「日本の歴史と感性にふれる 和紙コレクションの会」などがあります。
顧客は、この「〇〇の会」に参加することで、ただ商品を購入するのではなく、コミュニティに所属しているような特別感を感じることが出来るのです。
デジタルカタログ
フェリシモは、デジタルカタログのアーカイブを公開しています。
過去のカタログをWebサイト上で閲覧することができます。
魅力的なカタログがずらりと並び、無料で全て見られるというワクワク感を提供することで、自社のブランド認知を促しています。
メルマガ
フェリシモは、メルマガを活用したブランディングにも力を入れています。
特に独自性の高いメルマガを2つ、紹介します!
①「Like you」
Like youは、20代から30代の女性向けのライフスタイルマガジンで、短編小説や映画のような世界観が特徴です。
フェリシモの商品を登場させながら、芸術性の高い内容で読み手の満足度を高めている、という点でブランディング力のかなり高いメルマガとなっています。
現在は配信を休止していますが、メルマガデザインに携わる全ての方におすすめしたいメルマガです。
バックナンバーが公開されていますので、ぜひご覧になってください!
②防災メールマガジン
こちらのメルマガでは、防災グッズの紹介や、災害時の対処法、防災関連コラムなどを配信しています。
月1回の定期便で、日頃の防災意識を高めていこうという、「みんなのBOSAIプロジェクト」が配信しているメルマガです。
防災グッズとして、フェリシモコレクション(フェリシモのオリジナル商品)を紹介するだけでなく、質問フォームボタンから専門家に直接質問をすることもできます。
若年層向けメディアサイト「このごろ」
フェリシモの若年層向けメディアサイト「このごろ」は、新社会人から社会人3年目くらいまでの若い世代をターゲットにしたWebメディアです。
2023年10月にベータ版が公開され、2024年3月に正式リリースされました。
「今を生きる僕らのためのおおらかなメディア」をコンセプトに、
・仕事 ・人間関係 ・暮らし |
など、若者が抱える様々な悩みや疑問、不安に対して、同世代のライターが自身の経験をもとに解決策を提案したり、ヒントを与えたりするコンテンツを配信しています。
「このごろ」は、若者たちが社会人生活をスムーズに送り、自分らしく生きていくためのヒントを提供するメディアです。
また、フェリシモのECサイトが主要顧客である50~60代向けに作られているため、このサイトは20代の若者たちの「フェリシモの世界に触れる入り口」としての役割も担っています。
今後は、広告やPRの場としてECサイトと連携しながら、さらに展開していく計画です。
④サブスクリプション事業「EIZOKU」:企業を支援!
フェリシモは、2021年10月にサブスクリプション事業「EIZOKU」を開始しました。
これは、クライアント企業に対して、サブスク型マーケティングのコンサルティングやオペレーション支援を提供するサービスです。
フェリシモは、長年のEC事業で培ってきたノウハウを活用し、クライアント企業の持続可能な成長をサポートしています。
進化し続けるフェリシモのECサイト
フェリシモは、常に顧客の声に耳を傾け、ECサイトを進化させてきました。
ここでは、フェリシモのECサイトにおける最新の取り組みを3つのポイントに絞ってご紹介します。
①運用効率UP! ②UI/UX向上! 顧客の利便性UP! ③サイズ選びの不安を解消! バーチャル試着導入 |
①運用効率UP!
ECサイト運営において、業務効率化は重要な課題です。
フェリシモでは、パッケージ型システムへの移行とサイトスピード改善により、この課題を解決しています。
パッケージ型システムへの移行
従来のシステムでは、改修に時間とコストがかかるという課題がありました。
そこで、フェリシモはパッケージ型システム「commerce creator」を採用。
これにより、システムの安定稼働が可能となり、運用コストの削減にも成功しました。
サイトスピードの改善
サイトスピードは、顧客満足度を左右する重要な要素です。
フェリシモは、「Repro Booster」を導入することで、サイト表示速度を大幅に向上させました。
その結果、顧客の離脱率が減少し、コンバージョン率が向上しました。
②UI/UX向上! 顧客の利便性UP!
フェリシモは、顧客が快適にサイトを利用できるよう、UI/UXの向上にも力を入れています。
例えば、パスワードリマインダーの改善が挙げられます。
以前は、パスワードを忘れた顧客がログインできずに離脱してしまうケースが多く見られました。
そこで、フェリシモはパスワードリマインダーの使い勝手を改善し、年間1万人以上の離脱防止に成功しました。
③サイズ選びの不安を解消! バーチャル試着導入
オンラインショッピングでネックとなるのが、サイズ選びの難しさです。
フェリシモでは、この課題を解決するために、「Virtusize」を活用したバーチャル試着を導入しました。
Virtusizeは、自分の体型データを入力することで、洋服のサイズ感をシミュレーションできるサービスです。
フェリシモのECサイトでは、Virtusizeを使って、気になるアイテムのサイズ感を事前に確認することができます。
さらに、Virtusizeは「オンラインクローゼット」という便利な機能を提供しています。
これは、自分だけのお気に入りコレクションを作成できる機能で、ショップやブランドをまたいでアイテムを管理することができます。
これらの取り組みによって、フェリシモは顧客のサイズ選びの不安を解消し、購買体験を向上させています。
まとめ

この記事では、フェリシモのEC戦略について、具体的な事例を交えながら解説しました。
フェリシモは、「ともにしあわせになるしあわせ」という理念のもと、顧客の声を大切にした商品開発、独自のブランディング戦略、社会貢献活動など、様々な取り組みを行っています。
特に、顧客参加型の商品開発プラットフォーム「妄想もっと許可局」や、環境に配慮したファッションブランド「el:ment」は、フェリシモのEC戦略を象徴する事例と言えるでしょう。
また、近年では、AIやRPAを活用した顧客体験の向上にも力を入れています。
これらの取り組みは、ECサイト運営者にとって、多くの学びがあるのではないでしょうか?
ぜひ、この記事を参考に、自社のECサイト戦略に活かしてみてください。
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この記事のライター
川上あおい
3児の母。川上サトシを支えつつ学んだことを活かし始めたハリネズミ。24時間、車を運転したことがある。

この記事の監修

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